入れ歯と舌苔(ぜったい)は、どちらも口臭に関係することがあります。入れ歯に汚れが残ると細菌が増えやすくなり、舌の表面に付いた舌苔にも細菌や食べかすがたまるためです。ただし、口臭の原因が入れ歯や舌苔だけとは限らず、口の乾燥や歯ぐきの病気などが関係する場合もあります。
入れ歯・舌苔・口臭はどう関係する?
口臭は、入れ歯や舌苔に付着した汚れを細菌が分解することで生じるにおいが関係します。特に、入れ歯の内側や金具の周辺、歯ぐきと接する部分は汚れが残りやすい場所です。
舌苔は、舌の表面に付着する白色または黄白色の汚れです。食べかす、粘液、細菌などが含まれることがあり、厚く付着していると口臭につながる可能性があります。
入れ歯を使っている人は、入れ歯そのものだけでなく、舌、歯ぐき、上あごなどにも汚れが残っていないか確認することが大切です。
口臭の原因になりやすい入れ歯の汚れ
次のような状態では、入れ歯に汚れやにおいが残りやすくなります。
- 入れ歯の内側に食べかすやぬめりが付いている
- 部分入れ歯の金具やその周辺を十分に清掃していない
- 入れ歯を外さずに長時間使い続けている
- 入れ歯を水ですすぐだけで、こすり洗いをしていない
- 入れ歯洗浄剤を使っていても、洗浄後のすすぎが不十分である
入れ歯は、口から外したときに汚れが見えやすくなります。表面の白っぽい付着物やぬめり、入れ歯を外した後も残るにおいがないか確認してください。
舌苔が口臭につながる理由
舌の表面には細かな凹凸があるため、食べかすや細菌がたまりやすくなっています。舌苔が厚くなると、細菌が作るにおいの成分が増え、口臭の一因になることがあります。
舌苔は、口の乾燥、舌の動きが少ないこと、食事量の低下、体調の変化などでも付きやすくなります。入れ歯を使用している場合は、入れ歯の汚れと舌苔が重なって、においを感じやすくなることも考えられます。
ただし、舌苔が見えるからといって、口臭の原因が必ず舌苔だと断定できるわけではありません。歯ぐきからの出血や痛み、口の乾燥なども確認する必要があります。
口臭を減らすための入れ歯と舌の手入れ
入れ歯だけでなく、舌や口の中も一緒に清掃すると、汚れの残りを減らしやすくなります。基本的な手順は次のとおりです。
- 入れ歯を外す。洗面器に水を張るなどして、落として破損しないようにします。
- 流水で大きな汚れを洗い流す。熱いお湯は入れ歯の変形につながることがあるため、避けてください。
- 入れ歯用ブラシなどでこすり洗いする。内側、歯の部分、金具、歯ぐきに接する部分を確認しながら洗います。
- 入れ歯洗浄剤を使う。使用方法や浸ける時間は、製品の表示に従ってください。
- 舌をやさしく清掃する。舌ブラシややわらかい歯ブラシを使い、舌の奥から手前へ軽い力で動かします。
- 歯ぐきや上あごも清掃する。やわらかい歯ブラシや清潔なガーゼなどで、傷つけないように汚れを取り除きます。
入れ歯を歯みがき粉で強くこすると、製品によっては表面に細かな傷が付き、かえって汚れが残りやすくなることがあります。入れ歯の材質や使用中の洗浄剤が分からない場合は、歯科医院で適した方法を確認してください。
舌苔は強くこすり取らない
舌苔を落とそうとして強くこすると、舌を傷つけたり、痛みや出血を起こしたりすることがあります。1回で完全に落とそうとせず、少量の水で口を潤してから、軽い力で少しずつ清掃してください。
舌に痛みや出血がある場合、舌苔が厚くなり続ける場合、白い付着物がこすっても取れない場合は、自己判断で繰り返しこすらず、歯科医院や医療機関に相談しましょう。
入れ歯を外す時間も必要
入れ歯を使っていない時間をつくることは、入れ歯が接していた歯ぐきや粘膜を休ませ、口の中を清掃する機会になります。就寝時に外すかどうかは、入れ歯の種類や口の状態によって指示が異なることがあるため、歯科医師の指示がある場合はそれに従ってください。
外した入れ歯は、乾燥や変形を防ぐため、保管方法を確認して清潔に保ちます。洗浄剤に長時間浸けたままにしたり、熱湯を使ったりするのは避け、製品の説明に従ってください。
手入れをしても口臭が続くとき
入れ歯と舌を清掃しても口臭が続く場合は、次のような原因が隠れている可能性があります。
- 歯周病やむし歯
- 入れ歯が合わず、歯ぐきに傷や炎症がある
- 口の乾燥が強い
- 入れ歯のひび、欠け、変形、汚れの固着がある
- 口の中以外の病気や服用中の薬の影響
入れ歯の痛み、歯ぐきの腫れや出血、口内炎、入れ歯のぐらつき、口臭の急な悪化がある場合は、早めに歯科医院で確認してもらいましょう。入れ歯が合っていない場合、自己判断で削ったり曲げたりすると、さらに合わなくなることがあります。
入れ歯と舌苔による口臭を判断するポイント
入れ歯を洗った後や舌を清掃した後に、においが軽くなるなら、入れ歯や舌苔の汚れが口臭の一部に関係している可能性があります。ただし、これは原因を確定する方法ではありません。
においが改善しない場合は、口の乾燥、歯ぐきの状態、入れ歯の適合なども確認が必要です。まずは入れ歯を毎日外して洗い、舌を傷つけないように清掃し、それでも続く口臭や痛みがあれば歯科医院で相談してください。







