加齢と舌苔の増加にはどんな原因がある?

加齢と舌苔の増加にはどんな原因がある?

加齢によって舌苔が増える主な原因は、唾液の減少、舌の動きや飲み込む力の低下、口腔清掃の変化などです。年齢そのものが直接の原因というより、加齢に伴う口の乾燥や全身状態、薬の影響が重なって舌苔が付きやすくなります。

加齢で舌苔が増える主な原因

唾液が減って口が乾燥しやすくなる

唾液には、舌や口の中の汚れを洗い流す働きがあります。加齢に伴って唾液の分泌が減ったり、口を開けて呼吸する時間が増えたりすると、舌の表面に細菌や食べかすが残りやすくなります。

口の乾燥は、薬の副作用や水分不足、糖尿病などの病気によって起こることもあります。そのため、舌苔が急に増えた場合は、年齢だけが原因と決めつけないことが大切です。

舌の動きや飲み込む力が弱くなる

舌は、食べ物を動かしたり、飲み込んだりする過程で自然に清掃されています。加齢によって舌の動きや食べる量、飲み込む力が低下すると、舌の表面に汚れが残りやすくなります。

食事がやわらかいものに偏っている場合も、舌が動く機会が少なくなり、舌苔が付きやすくなることがあります。ただし、飲み込みにくさやむせがある場合は、誤嚥につながる可能性もあるため、歯科や医療機関に相談してください。

口腔ケアが十分にできなくなる

手の動かしにくさ、視力の低下、認知機能の変化、体力の低下などがあると、歯磨きや舌の清掃が不十分になりやすいです。入れ歯を使用している場合は、入れ歯や口の中に汚れが残ることも舌苔の増加につながります。

本人が磨いているつもりでも、奥歯の周囲や舌の奥まで清掃できていないことがあります。介助が必要な場合は、歯科医師や歯科衛生士に適切な方法を確認するとよいでしょう。

薬の影響で口が乾く

血圧の薬、アレルギーの薬、睡眠薬、抗うつ薬など、さまざまな薬で口の乾燥が起こることがあります。薬を飲み始めた後や、薬の種類・量が変わった後に舌苔が増えた場合は、処方した医師や薬剤師に相談してください。

自己判断で薬を中止したり、量を変えたりしてはいけません。口の乾燥が副作用として疑われる場合でも、治療全体とのバランスを考えて調整する必要があります。

舌苔が増えるその他の原因

舌苔は、加齢以外にも次のような状態で増えることがあります。

  • 水分不足や発熱による脱水
  • 口呼吸や鼻づまり
  • 喫煙
  • 歯磨きや入れ歯の清掃不足
  • 食事量の減少
  • 体調不良や睡眠不足
  • 抗菌薬の使用後など、口の中の環境が変化した場合
  • 口腔カンジダ症などの感染症

舌苔が白く見えても、すべてが単なる汚れとは限りません。こすると取れる白い付着物だけでなく、こすっても取れない白斑、赤み、ただれ、痛みがある場合は、別の病気が隠れている可能性があります。

舌苔を減らすためにできること

基本は、口の乾燥を防ぎながら、舌や歯、入れ歯を傷つけないように清掃することです。

  1. こまめに水分をとり、口の中が乾きすぎないようにする。
  2. 歯ブラシで歯と歯ぐきを清掃する。
  3. 舌ブラシや柔らかい歯ブラシを使い、舌の奥から手前へ軽い力で清掃する。
  4. 舌が痛くなったり出血したりしたら、清掃を中止する。
  5. 入れ歯を使用している場合は、外して入れ歯用の器具で清掃する。
  6. 口の乾燥や薬の影響が気になる場合は、歯科医師、医師、薬剤師に相談する。

舌苔を強くこすっても、舌苔が完全になくなるとは限りません。強い力で何度もこすると舌の表面を傷つけ、痛みや炎症の原因になることがあります。

歯科や医療機関に相談したほうがよい症状

舌苔が一時的に増えただけなら、口の乾燥や清掃状態の変化によることがあります。しかし、次の症状がある場合は、歯科や医療機関で確認してください。

  • 舌苔や舌の色の変化が長く続く
  • 舌を清掃しても取れない白い部分がある
  • 舌の痛み、出血、ただれ、腫れがある
  • 口臭が急に強くなった
  • 食べ物が飲み込みにくい、むせる
  • 発熱や強い倦怠感がある
  • 入れ歯が合わず、口の中に傷がある

特に、口の中の白い部分がこすっても取れない場合や、傷が治らない場合は、舌苔だと思い込まずに診察を受けることが重要です。

加齢で舌苔が増えたときの判断

加齢に伴う舌苔の増加は、唾液の減少、口腔ケアの変化、舌の動きの低下、薬の影響などが重なって起こることがあります。まずは口の乾燥、服薬の変更、入れ歯の状態、舌苔がこすって取れるかを確認してください。

痛みや取れない白斑、飲み込みにくさなどがある場合は、年齢のせいにせず歯科や医療機関へ相談することが最初の対応です。