舌苔(ぜったい)と口呼吸には関係があります。口呼吸を続けると口の中が乾きやすくなり、唾液による自浄作用が低下するため、舌の表面に細菌や食べかす、はがれた粘膜などが付着して舌苔ができやすくなります。ただし、舌苔の原因は口呼吸だけではなく、舌の汚れ、唾液量の低下、体調なども関係します。
口呼吸で舌苔が増えやすくなる理由
口呼吸では、鼻ではなく口から空気を取り込むため、口の中の水分が蒸発しやすくなります。口が乾くと、舌の表面にある細かな凹凸に付着したものが唾液で流れにくくなります。
唾液には、口の中を洗い流す働きがあります。口呼吸で唾液の働きが十分に及びにくくなると、舌の表面に細菌、食べかす、古くなった粘膜などがたまり、白色や黄白色の舌苔として見えることがあります。
つまり、口呼吸が舌苔を直接作るというより、口の乾燥を通じて舌苔が付着しやすい環境を作ると考えると分かりやすいでしょう。
口呼吸が原因かもしれない舌苔の特徴
次のような状態がある場合は、口呼吸による乾燥が舌苔に関係している可能性があります。ただし、これらの特徴だけで原因を断定することはできません。
- 起床時に口の中が乾いている
- 朝、舌苔が目立ちやすい
- 寝ている間に口が開いている
- いびきや口の渇きを指摘される
- 鼻づまりがあり、鼻で呼吸しにくい
- 水分をとっても口の乾燥が続く
特に、舌苔だけでなく口臭や口のねばつきも起きている場合は、口腔内の乾燥が関係していることがあります。
舌苔と口呼吸を改善する方法
舌苔だけを強くこするのではなく、口の乾燥と口呼吸の原因の両方に対処することが大切です。
舌は専用ブラシなどでやさしく清掃する
舌苔が気になるときは、舌用ブラシや舌クリーナーを使い、舌の奥から手前へ軽い力で清掃します。何度も強くこすると舌の粘膜を傷つけたり、刺激によって違和感が出たりすることがあるため、落としきろうとして力を入れないでください。
毎回大量の舌苔がつく場合や、清掃してもすぐに戻る場合は、舌苔だけでなく口腔乾燥や鼻づまりなどの原因を確認する必要があります。
口の乾燥を防ぐ
こまめに水分をとり、口の中が乾き続けないようにします。シュガーレスのガムをかむことは、唾液の分泌を促す方法の一つです。ただし、糖分の多い飲み物や飴を頻繁にとると、むし歯のリスクを高めることがあります。
口の乾燥が強い場合は、口腔保湿ジェルや保湿スプレーが使われることもあります。使用する場合は、製品の表示を確認し、持病や服用薬がある人は医療機関や歯科医師、薬剤師にも相談してください。
鼻呼吸を妨げている原因を確認する
鼻炎、アレルギー、鼻づまりなどがあると、鼻で呼吸しにくくなり、口呼吸になりやすくなります。鼻づまりが続く場合は、耳鼻咽喉科で原因を調べることが先決です。
自分の判断で口をテープなどで閉じる方法は、鼻づまりがある人や、睡眠中の呼吸に問題がある人には適さないことがあります。試す前に、鼻で無理なく呼吸できる状態か確認してください。
歯みがきと定期的な口腔ケアを続ける
舌苔は、口の中の細菌や汚れとも関係します。歯みがき、歯間清掃、舌のやさしい清掃を組み合わせ、口の中を清潔に保ちます。歯ぐきの出血、むし歯、入れ歯の汚れなどがある場合は、歯科医院で相談しましょう。
舌苔が口呼吸以外の原因でできることもある
舌苔は、口呼吸をしていない人にも見られます。たとえば、舌の清掃不足、口の中の乾燥、食事や水分摂取の偏り、発熱や体調不良、喫煙などが関係することがあります。
また、舌の色や表面の変化には、舌苔以外の状態が含まれる場合があります。白い部分がこすっても取れない、痛みや出血がある、舌の表面の変化が長く続くといった場合は、自己判断で舌苔と決めつけないことが大切です。
受診したほうがよいケース
次のような場合は、歯科または耳鼻咽喉科に相談してください。
- 舌苔や舌の色の変化が長く続く
- 舌の白い部分をこすっても取れない
- 舌に痛み、出血、ただれ、しこりがある
- 口の乾燥や口臭が強く、改善しない
- 鼻づまりが続き、鼻呼吸がしにくい
- 大きないびき、睡眠中の息苦しさ、日中の強い眠気がある
舌苔そのものは口呼吸による乾燥で目立つことがありますが、口呼吸の背景に鼻の病気や睡眠中の呼吸の問題が隠れている場合もあります。症状が続くときは、舌だけでなく鼻や睡眠の状態も含めて相談すると、原因を確認しやすくなります。
舌苔と口呼吸の関係を判断するポイント
口呼吸は、口の中を乾燥させ、唾液による洗浄を弱めることで舌苔が付着しやすくなる可能性があります。ただし、舌苔があるからといって、必ず口呼吸が原因とは限りません。
まずは、起床時の口の乾燥、睡眠中の口の開き、いびき、鼻づまりがあるかを確認してください。そのうえで、舌を強くこすらずに清掃し、鼻づまりや口の乾燥が続く場合は、歯科または耳鼻咽喉科で原因を調べることが適切です。







