舌苔と胃腸には関係がある?

舌苔と胃腸には関係がある?

舌苔(ぜったい)と胃腸に直接の関係があるとは限りません。舌苔は、舌の表面にある細かな突起に、細菌、はがれた粘膜、食べかすなどが付着したものです。胃腸の不調があると舌苔が目立つことはありますが、舌苔だけで胃腸の病気や状態を判断することはできません。

舌苔と胃腸の不調は関係するのか

胃腸の調子が悪いときに、食欲低下、嘔吐、発熱、脱水などによって口の中が乾き、舌苔が増えたように見えることがあります。また、食事量が減ると舌が食べ物や飲み物に触れる機会が少なくなり、舌の表面に汚れが残りやすくなります。

ただし、これは胃腸の病気が舌苔を直接作ると確認されたという意味ではありません。舌苔があるからといって、胃炎、胃潰瘍、腸の病気などがあるとは判断できません。

舌苔が増える主な原因

舌苔は、胃腸以外の原因でも目立ちます。特に次のような状態では、舌苔が付きやすくなります。

  • 口の中が乾燥している
  • 舌を含む口腔内の清掃が十分でない
  • 発熱や下痢、嘔吐などで水分が不足している
  • 口呼吸をしている
  • 喫煙している
  • 食事量が減っている
  • 薬の影響などで唾液が減っている
  • 口腔内の細菌バランスが変化している

白っぽい付着物が舌だけでなく口の粘膜にも広がっている場合や、拭うと出血する場合は、単なる舌苔ではなく口腔カンジダ症など別の状態が関係していることもあります。ただし、見た目だけでは区別できません。

胃腸の病気を舌苔だけで判断できない理由

舌苔の色や量は、口の乾燥、食事、清掃状態、喫煙、体調など複数の影響を受けます。そのため、舌が白い、黄色い、厚くなったという変化だけから、胃腸の病気の有無や重症度を判断することはできません。

胃腸の状態が気になるときは、舌の見た目ではなく、腹痛、吐き気、下痢、便秘、胸やけ、食欲低下、体重減少などの症状がいつから続いているかを確認します。舌苔と胃腸症状が同時にあっても、両者が同じ原因とは限りません。

舌苔が気になるときの対処法

まずは口の乾燥を防ぎ、舌を傷つけない方法で清掃します。強くこすると舌の表面を傷め、炎症や痛みの原因になることがあります。

  1. こまめに水分をとり、口の中の乾燥を防ぐ。
  2. 歯を通常どおり磨き、舌ブラシや軟らかい歯ブラシで舌の奥から手前へ軽く清掃する。
  3. 一度に何度もこすらず、舌に痛みや出血がないか確認する。
  4. 口呼吸や喫煙など、口が乾きやすくなる習慣があれば見直す。
  5. 数日から1週間程度たっても改善しない場合や、症状が強い場合は歯科または医療機関に相談する。

舌苔を完全に取り除こうとして、強い力でこすったり、刺激の強い薬剤を自己判断で使ったりするのは避けてください。

受診を検討したほうがよい症状

舌苔だけでなく、次のような症状がある場合は、舌苔との関係を自己判断せず、症状に応じて歯科や医療機関を受診してください。

  • 舌の痛み、腫れ、出血、ただれがある
  • 白い付着物が広がっている、または繰り返す
  • 口臭や口の乾燥が長く続いている
  • 腹痛、嘔吐、下痢、便秘などが続いている
  • 血便、黒い便、吐血がある
  • 食事がとれない、体重が減っている
  • 発熱や強い脱水症状がある

特に、血便や黒い便、吐血、激しい腹痛、意識がぼんやりするほどの脱水がある場合は、早めの医療機関への相談が必要です。

舌苔と胃腸の関係を判断するときのポイント

舌苔は、胃腸の不調に伴って目立つことはありますが、胃腸の状態を示す決まったサインではありません。舌苔だけで胃腸の病気と決めつけず、口の乾燥や口腔内の状態、腹部症状の有無を分けて確認することが大切です。

舌苔が一時的で、口の乾燥や食事量の変化に心当たりがあるなら、口腔ケアと水分補給で様子を見ます。長引く場合や舌・胃腸の症状を伴う場合は、舌の症状は歯科、腹部症状は内科など、症状に合う診療科へ相談してください。